竹内 さやか (たけうち さやか)
1983年生まれ。兵庫県出身、神戸市在住。
大学卒業後、食品検査の会社に勤務。第一子の妊娠中に退職。現在は、産後ケアリストとして活動を始めて2年目。
夫、長男、次男の4人家族。
こんな人に読んでほしい
■ フリーランスとして活動したい
■ ブランクを乗り越えて社会復帰したい
■ 育児と仕事のバランスが取れる仕事をしたい
仕事の原動力は「頑張っているお母さんの力になりたい」という想い
――さやかさんにお会いして初めて『産後ケアリスト』の存在を知りました。一体どんな仕事なんでしょうか?
精神的に不安になりやすい時期である産前産後の女性のサポートをする仕事です。一人でも多くのお母さんが楽に育児ができるように、自分自身の経験を交えて助言や情報提供をしています。お話をするときは、お母さんが心身ともに少しでも休めるように意識しています。
産後ケアリストの知名度はまだ低く、反応がイマイチなこともしばしば。SNSなどで情報発信をしていますが、他にもなにかできることがないか模索中です。
――私も最初『産後"セラピスト"』と間違えてしまって…その節は、失礼しました(汗) 早速ですが、さやかさんが産後ケアリストとして活動を始めたきっかけを教えてください!
私は里帰り出産をしたのですが、自宅に戻ってから知り合いがいない土地で、毎日不安を感じながら手探りで育児をしていました。
慣れない子育てのせいで慢性的に睡眠不足でしたが「家にいるんだから、きちんと家事をしないといけない」と、一人で背負いこみすぎていましたね。しんどかったです。
妊娠するまでは仕事をしていて、家の近所に友人はいませんでした。「実家の親には心配かけたくない」と思っていたので育児について相談できる人がいなくて、いつもインターネットで検索した情報に振り回されて一喜一憂していました…。
――私もさやかさんと似たような環境で育児をしたので、ものすごく共感します。インターネットには情報はいくらでも転がっていますが、話を聞いてもらえるわけではないし孤独ですよね…。
はい…。精神的に辛かったです。私の場合は産後だけではなく妊娠中から悪阻がひどくて。第一子を妊娠した当時は会社員でしたが、病院へ点滴を打ちにいかなければもたないほど体調が悪くて退職を決意しました。
二人目の悪阻も同じような状態になり、しかも長男の面倒を見ながらだったので、もういっぱいいっぱいで。誰かに手伝って欲しかったです。
次男が生まれてからも、一日が終わることにはくたくた。余裕が全くなかったです。テレビから流れる幼児虐待事件が他人事とは思えず「私も一歩間違えたら虐待してしまうのではないか…」と恐怖を感じたことすらあります。
――我が家は子供は一人ですが、それでも毎日眠るころにはぐったりしてます。二人となったら、もう…。
何とかならないものかと思ってたところ、息子と同じ幼稚園へ通うママ友が私と同じような環境で毎日ワンオペ育児をしていることを話してくれました。
「一人になりたくて、クローゼットに隠れてご飯を食べたことがある」と聞いて、「子供は可愛いのに、どうしてみんな育児でこんなに辛い思いをしなくてはいけないんだろう?」「頑張ってるお母さんの力になりたい!」と考えるようになったのが今の仕事を始めるきっかけです。
産後ケアリストと二人兄弟の育児との両立
――さやかさんは癒しオーラ満載の『ザ・優しいお母さん』というイメージです。どうやって仕事と育児を両立させていますか?
いえいえ、二人の男子を前にするとそういう訳にもいきませんよ(笑)仕事の疲れが出て夕飯のメニューが思いつかず、イライラしてしまうことだってあります…!
が、家庭にしわ寄せがいくのは本末転倒。産後ケアリストとして活動する以上「まず私が子供との関係を良好に保たなくては」と考えています。
仕事は、子供たちが小学校や幼稚園から帰宅するまで、平日数時間内で収まるようにスケジュールを組んでいます。
――フリーランスは時間に自由が利く分、タイムマネジメントが難しいですよね。さやかさんが育児を楽にするために工夫したことがあれば教えてください。
子供たちにはできるだけ「自分で自分の支度をするように」と伝えてきました。そうしたら二人とも幼稚園年長になる頃には、幼稚園の用意をほぼ全てできるように。子供の教育になり、私も楽になり、まさに一石二鳥です。
子供たちが成長するにつれて、色んな場面でどんどんできることが増えてきています。支度を一人でできるよう毎日挑戦したことで、長男にも次男にもチャレンジ精神が身に付いたように思います。
――お、それはいいですね!その手法、私も早速取り入れます(笑)お子様たちが協力的で羨ましい。ご主人はどうですか?さやかさんの仕事に対して理解はありますか?
はい!産後ケアリストの資格を取ることも、仕事にすることも快く承諾してくれました。よく相談事も聞いてくれます。
夫が休みの日は、なるべく仕事は入れず、家族と過ごすようにしてます。休日のイベントやセミナー講師のご依頼を時々いただきますが、勝手に決めないで家族に相談してスケジュールを組んでいます。
何をするの? 『産後ケアリスト』という仕事
――さやかさんが産後ケアリストを知ったきっかけはなんでしたか?
「大変な想いをしているお母さんたちの支えになるような仕事をしたい」と友人に相談したら「『産後ケアリスト』っていう資格があるよ」と教えてもらったことがきっかけでした。
その場ですぐ『産後ケアリスト』を検索。ホームページを見て「これだ!」と思い、資料請求もせずにそのまま産後ケアリスト認定講座へ申し込みました!
――半端ない行動力…!産後ケアリストとは具体的にどういった活動をするんですか?
実は、産後ケアリストの活動内容は人それぞれなんです。
講座では核家族化が育児に与える影響や行政のサポートについて、産後ケアリストがお母さんのためにできることや話を聞く姿勢、そして赤ちゃんについての基本知識などを学びます。
それをベースに資格取得後は自分でメニューを考えます。サークルやセミナー活動をしたり、もともと保有している他の資格と併せて、シッターなどのサポートをしたりする産後ケアリストが多いですね。
鍼灸師やセラピストの方は、お母さんの体をほぐすメニューを作っていました。産後の骨格矯正の重要性を知ってはいても、なかなか整体へ通う時間と心の余裕が母親にはありませんから…。
相談内容に合わせて情報提供をするのも仕事の一つです。意見を押し付けるのではなく「お母さんに選択肢の提供をする」ことを意識しています。
そのために日々の情報収集は欠かさずに行っています。インターネットからの情報は情報源をしっかり確認します。
――なるほど、それぞれの産後ケアリストによって特色があるんですね。さやかさんはどんなサポートをしているんですか?
私は前職で食品関連の会社に勤めていて管理栄養士の資格もあるので、栄養指導の相談を受けたり、離乳食の講座をしたりしています。
コロナ禍ではZoomでオンラインの離乳食セミナーを開催しました。単発のつもりでしたが好評で「続けてほしい」とリクエストをいただき、2カ月ほど定期開催していました。
これからもお母さんたちの要望に臨機応変に応えていきたいと思います。

マタニティエステサロンの一角で開催した離乳食セミナー
――さやかさんはもともと会社員で出産育児のブランクを経て、いきなりフリーランスへ転身したんですよね?そのことに対する不安や戸惑いはなかったんですか…?
フリーで仕事を始めるときは楽しみでしたが、もちろん不安もありましたよ。
会社員時代も営業のような外回りの仕事ではなく内勤だったので「自分のことをうまく説明できるかな」とか「お客様からの理解を得られるかな」というのが心配でした。
初めてのお客様は知人からの紹介でしたが、それでもとても緊張しました…!託児などのサービスを普段から使い慣れてるお母さんだったので、助かりました。
――誰にだって『最初』は必ずありますもんね。資格を取得してから実際に仕事の回数を重ねてプロフェッショナルになっていくんですね。さやかさんににサポートをお願いしたいと思ったら、どうやって申し込めば良いですか?
公式LINEやInstagram等からお申し込みを受け付けています。現在は次男の幼稚園に行っている間だけ活動していますが、タイミングが合えばぜひご依頼ください。
赤ちゃんのお世話の手伝いや買い物や病院、美容室への外出付き添い、どんな些細なことでもお役に立てたら嬉しいです。
――そういうサポートって「いざとなったら使おう」って思って必死になって頑張っていたけれど、今となって振り返ればあの時が『いざ』だったなって思います…(笑)
そうなんですよね。渦中にいるときって、それに気付かない。
お母さんは本当に頑張り屋さんが多いです。「働いていないから」「実家が近いから」「育児くらいは自分一人でちゃんとしないと」って。
無理しないで、もっと頼れるものは頼っていいと思います。産後ケアリストはそのためにいます!
――娘が赤ちゃんの頃に知っていたら、私も助けてほしかったです…。さやかさんが思う産後ケアリストの仕事のやりがいについて教えて下さい。
サポートの申し込みをいただいたときや、サポート後に「今までの不安が解決した」「モヤモヤがなくなった」というお声をいただけることは励みになります。
最初は硬い表情だったママが、話しているうちに笑顔になったときは最高に嬉しいです!
――目の前で相手の喜ぶ顔が見られる仕事は、こちらが幸せをもらいますよね。これからどんな風に働いていきたいか、何か理想があれば教えてください。
現在は新型コロナウィルスの影響で、あまり直接的なサポートができていません。それでも、ご要望があれば直接ご自宅に伺ってお話を聞いたり、お子様のお世話のサポートしたりしたいです。
人との接触を控えている方や遠方の方へは、オンラインでもお伝えできることがあるので、便利なツールを上手く使ってメンタルサポートや離乳食講座をもっとしていきたい。
マタニティの方へは、産後のトラブルやその解消方法を事前にお伝えできたらと思います。

オンラインセッションの様子
――コロナ禍でも「待ったなし」で、子供はどんどん大きくなりますもんね。産後ケアリストとして活動していて最近一番嬉しかったことを教えてください。
近頃イベントに呼ばれる機会が増えました。初対面でも産後ケアリストの仕事のことを話したら興味を持っていただけて、色んな方と知り合い、繋がることができて嬉しいです。
――私もイベントでさやかさんと知り合えて、とても嬉しい!出逢いによって活動の場はどんどん広がりますよね。これからの目標は何かありますか?
私の周囲に産後ケアリストの知り合いが数人いますが「もっと増えたらいいなぁ」と思っています!みんなで連携しながら活動したい。
私の住んでいる地域には外国人ママも多いので、そういった方たちのサポートもしていきたいです。
そのためにまず、私が日々活動や情報発信をして、産後ケアリストの認知を広めたいです。
あとプライベートでは、新しく習い事を始めたいと思っています。
――わ!いいですね。何を始めようと思っていますか?
パーソナルトレーニングに通いたいですね。子供が思春期になり体力で負けないように鍛えたい!あとはジャズが好きなのでピアノも習いたいです。
英会話も始めたいな。海外旅行が好きなので英語ができたら、もっと楽しめるだろうなと思います。
――私も海外へ行くのがとても好きなので分かります!英会話は外国人ママのサポートをするにあたって、これから仕事でも役立ちそうですね。
はい!それに私が楽しく学ぶ姿勢を見せることで、子供にも良い影響があればいいなと思っています。英語が話せるようになることよりも、海外の方と臆せず接することができるようになってほしい。
そんな想いから近所の大学に通う留学生のホストファミリーをしています。子供に経験値を積んでほしいし、視野を広げてあげたい!
――同意!子供と一緒に、自分が全力で楽しめることをするのは最高の育児だと思います。
はい!実は専業主婦をやめて仕事を始めたのは「海外旅行へ行きたいから」というのも一つの理由です(笑)
残された人生で一番若いのは今日! だからこそ何か目標を立てよう
――最後に…これから何かを始めるための一歩を踏み出そうとしているお母さんへ、さやかさんから一言!お願いします。
産後は社会と離れてしまい孤独を感じる女性が多いですよね。でも、今のその経験こそが今後の武器になるはず!
育児に慣れ少し落ち着いてきた時に、ぜひ何か目標を立ててみてください。日々のモチベーションが上がり充実しますよ。
残された人生で、あなたは今日が一番若いです。やらずに後悔するよりやってみましょう。
――産後ケアリストの活動以外にも、さやかさんのアクティブな一面が知れて楽しいインタビューの時間になりました。ありがとうございました!
一日のタイムスケジュール
6:30 | 起床 |
7:00 | 朝食 |
8:20 | 次男を幼稚園へ見送り |
9:00 | 家事、仕事 |
12:00 | 仕事 |
13:00 | 昼食 |
14:00 | 次男を幼稚園へお迎え |
15:00 | 夕食準備 |
16:00 | 公園 |
18:00 | 夕食 |
19:00 | 片付け |
20:00 | 入浴、家事 |
22:00 | 就寝 |
竹内 さやか さんについて、もっと知りたい!
保持資格
- 産後ケアリスト1級
- 管理栄養士
- フードスペシャリスト
産後ケアリストのサポートについて
神戸市東灘区、芦屋市を拠点に、ご自宅への訪問、カフェや公園への出張にてサポートを行っています。オンラインでの相談も受け付けています。
公式LINEやSNS等からお気軽に申し込みください。
- 利用可能日時: 月・火・木・金曜日 9:00~13:00
- 利用料金: 1時間 2,000円
お子様が生後3ヶ月までは 1時間 2,500円
(場所により別途交通費がかかる場合があります)
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