自由に奏でるピアノでたくさんの心に寄り添いたい / 中谷 幸代 さん(命をつなぐ即興作曲ピアニスト)

インタビュー

中谷 幸代 (なかたに さちよ)

1979年生まれ。兵庫県神戸市出身。その場の雰囲気を感じ取って、即興で奏でる作曲ピアニスト。

高校1年生の時、阪神淡路大震災により自宅が全壊。ピアノが身代わりとなり家を支えてくれ、家族は全員助かる。

神戸学院女子短期大学を首席で卒業した後、社会人を経て、全国各地で命の大切さを伝える講演コンサートを実施。「耳にしただけで優しい気持ちになれる音楽」を奏で、多くの方に感動を与えている。

活動はNHKをはじめ多くのメディアに取り上げられ、青年版・国民栄誉賞である『人間力大賞2010会頭特別賞』を受賞。

震災語りべ・作曲家・ピアノ講師として、神戸市を拠点に活躍中。

夫、長男、長女の4人家族。

4歳 ピアノを習い始める
12歳 中学入学 吹奏楽部入部
15歳 高校1年生の時で
阪神淡路大震災 被災
18歳 神戸学院女子短期大学 文芸科 音楽コース 入学
          友人と共に音楽療法サークル立ち上げ
20歳 食品会社入社
21歳 『神戸ドリームオーディション』入賞
   手を負傷 心身ともに治療を受ける
22歳 食品会社退社
26歳 結婚 主人の転勤で愛媛県へ引っ越し
27歳 メモリアルコンサート
          (『こころのピアノコンサート』) 開始
30歳 新潟中越地震 被災地慰問コンサート
31歳 『人間力大賞2010会頭特別賞』受賞
          神戸へ引っ越し

32歳 第一子出産
37歳 第二子出産

 

こんな人に読んでほしい
■ 自分にできることを精一杯頑張りたい
■ 仕事も育児も楽しみたい
■ 夫の転勤で引っ越しをする可能性がある
■ 特技や今までの経験を活かしたい
■ 教室を開くことや講師業に興味がある

――即興作曲ピアニストとして大活躍中の幸代先生!ピアノを始めたのはいつ頃ですか?

ピアノ教室に通い始めたのは4歳頃でしたが、その前からテレビで流れている音楽を覚えて、おもちゃのピアノで弾いていました。

家族も音楽が好きで、母や妹が好きな曲を弾いて喜ぶ顔を見るのが嬉しくてたまりませんでした。

楽譜がなくても、いつも耳で覚えたまま演奏していました

中学時代、吹奏楽部の先輩に気付かれるまで、誰も私が楽譜を読めないことを知りませんでした(笑)

――すごい才能!絶対音感ですね…。幸代先生にとって音楽の道へ進むのは必然だったように思います。

中学校では吹奏楽部に所属していました。

クラリネットと指揮を担当していて「将来はクラリネット奏者になる!」というほど没頭していました。

ですが、体育の授業でバスケットボールが顎に当たり、クラリネットの演奏にドクターストップがかかってしまいます。

――それは…ショックでしたね……。

はい。でもそのおかげでピアノへ打ち込むことができたと今では思います。

吹奏楽部では高校からパーカッション(打楽器)を担当するようになりました。

私の高校は神戸のコンクールでいつも金賞を獲っていました。

――どんどん音楽の技術を究めていったんですね。

そんな時、阪神淡路大震災が起きました。高校1年生の冬でした。

家は全壊。

それでも、1階にあったピアノが2階を支えてくれたおかげで家族全員無事だったんです。

両隣の家は潰れてしまっているが、中央の幸代先生の自宅は2階部分がそのまま残っているのが分かる

――奇跡ですね…。

そう思います。でも、大切なピアノが粉々になってしまったことは本当に悲しかった。

最初はおもちゃのピアノ、次にキーボード、そして小学6年生の時にやっと買ってもらえたピアノでした。

妹と取り合って弾いていたほどの宝物

この時に助けてくれたピアノの破片は今も大切にしています。

お守りのように持ち歩いているピアノの破片

――震災後の生活に変化はありましたか?

震災後1年間だけ、大阪の高校へ転校し、そこでも吹奏楽部に所属しました。

毎週末はもとの高校の部活にも通ってたこともあり、神戸から来た私にみんながアドバイスを求めてくれました。

転校先の高校はコンクールでいつも銅賞でしたが、練習を積み重ねその年のコンクールでは見事金賞を受賞しました!

――わ!すごい!!

当日の舞台裏、順番を待っている部員に先輩が「みんな、心の底から楽しもう!私たちが楽しくなかったらお客さんが楽しめんからな~♪」と言っていたことが忘れられません。

吹奏楽は点数で評価されます。コンクールでは「いかに減点されないか」が重要なのです。

いつの間にか「音楽は高評価を取らないといけないもの」になっていた私。

先輩の一言で「音楽は楽しむもの」ということを思い出しました。

みんなで思いっきり演奏を楽しんだ結果の金賞は、今までいただいたどの金賞よりも嬉しかったです!

――転校先で素晴らしい発見があったんですね。

 

短大時代 就職前から好きなことを仕事に

――幸代先生の高校卒業後の進路を教えてください。

神戸学院女子短期大学の文芸科音楽コースへ進学しました。

本当は幼稚園か小学校の先生になりたかったんですが、高校3年生の時、部活のしすぎで腰を痛めてしまい、再びドクターストップに。その道は断念することになりました。

在学中は音楽療法を学び福祉施設を訪問する傍ら、腰に負担が掛からない程度にたくさんのアルバイトを掛け持ちしました。

一番思い入れのあったアルバイトは、バレエ教室が開催するミュージカル発表会の作曲です。

――面白そうなバイトですね。どうやって見つけたんですか?

4歳から習っていたピアノの先生が引越すとのことで、私に仕事を引き継いでくれたんです。

作曲の仕事をするうちにバレエ教室の生徒さんからご要望をいただき、ピアノレッスンをスタート

そこからピアノ講師を始めました。

――ピアノ講師を始めたのは作曲のお仕事の後だったんですね。

意外なきっかけでしたね。

大好きな子ども作曲ピアノ。その、すべてに関わる仕事がアルバイトで叶えられて幸せでした!

短大を卒業してからも「さっちゃん先生からピアノを習いたい!」と言ってくれた生徒さんがたくさんいて嬉しかったです。

その中には、現在東京で女優として活躍している子もいるんですよ。

――素敵です!私の娘もレッスンに通いましたが「純粋にめいっぱいピアノを楽しむことができる」のが、幸代先生のレッスンの最大の特長だと思います!

嬉しいです。ありがとうございます!

2歳児も楽しめるピアノレッスン

 

音楽の道に進むまで 困難を乗り越えて

――幸代先生は短大卒業後、一般企業に就職されていますが、音楽の道へ進まなかったのはなぜですか?

在学中、音楽療法を学んだこともあり、疲れている人や大変な思いをしている人に寄り添う音楽をしたかったんです。

その為にまず、まったく畑違いの分野で働いて「自分も苦労をしよう」と思いました。

父が毎日会社で一生懸命働いて疲れている様子を見て「会社員て日本で一番大変なのでは?」と感じ、私も体験して学ぼうと思いました。

短大の奨学金を早く返済するためにも、正社員として会社勤めをしたほうが待遇が良かったという理由もあります。

食品会社に入社し、営業成績一番のとても忙しい部署に配属されました。

――また音楽を始めるきっかけは何でしたか?

偶然『神戸ドリームオーディション』の張り紙を見つけたのがきっかけです。

仕事が上手くいかず、自分が嫌になりそうだった時だったので「私には音楽がある!」と思い出しました

今思うと音楽のことを忘れてしまうくらい、仕事に没頭しすぎていたんですよね。

阪神淡路大震災を乗り越えた経験をもとに作曲した『Twinkle memory & Bright future~きらめく想い出・輝く未来』を応募したところ、入賞しました。

【震災復興受賞曲】Twinkle memory &Bright future~きらめく想い出・輝く未来~/中谷幸代~ピアノがくれたご縁・活動写真と共に~

――忙しい日常の中、ご自身で道を切り開いたんですね!

震災復興をテーマにしたオーディションだったので、ピアノに助けられた自分にぴったりだと思いました。

大好きな音楽で自分を見つめ直すこともできました。

それを機に神戸国際会館で行われた音楽祭に出演するなど、コンサートの依頼をいただくようになりました。

――華やかなスタートだったんですね。

そういうわけではないんです…。

実は賞をいただいた直後、職場で右手に大怪我を負ってしまいます。

ピアノが弾けなくなり、心身ともに辛かったです。会社に行こうとすると吐き気や頭痛がしました。

――それは…とても辛かったですね……。どうやって乗り越えましたか?

いろんな病院に行きましたが効果を感じられず…。

最終的には精神科を勧められ、不安を抱えて訪ねると、主治医の方がただひたすら私の話に耳を傾けてくれました

そのおかげで、通院は一度きりで済みました。

――精神的に辛い状態から抜け出すのは大変ですよね。

そうですね。心の病気は精密検査をしても原因が分からないことが多いです。

そんな時期、自分の曲がたまたま流れ聴いているうちに涙が溢れ、浄化されたように癒されて不思議でした。

改めて「音楽ってすごいなぁ」と思い知らされました。

自分がそういう状態に陥ったことで辛い思いをしている人を音楽の力で癒したい」という想いがますます強くなりました

精神科へ通うことに抵抗がある人、病院にすら行けない人、そんな方たちのためにピアノレッスンやコンサートなどで即興連弾をしたり、音楽療法をさせていただいたりすることがあります。

――幸代先生ご自身が、辛い体験を乗り越えてきたからこそできる仕事ですよね。

 

引っ越し先での必然の出逢い

「今度は本当に好きな仕事をしよう」と思い、食品会社を退職しました。

その後は、派遣社員でいろんな仕事に挑戦しました。ウエディングピアニストや電子ピアノの販売、住宅メーカーの受付などです。

人が好きなので接客業が向いていることに気付きました。

カーディーラーで受付をしていた頃

――いろんな仕事をしていたんですね。

はい。ですが、結婚して愛媛県松山市へ引っ越したのを機に、一旦仕事を辞めてしまいました。

引っ越したばかりの頃はホームシックで毎日泣いていましたね。心を落ち着かせるために自宅で毎日電子ピアノを弾いていました。

だんだん「本物のピアノを弾きたい!と思うようになり、演奏させてくれる場所を探しました。

――「ピアノを買おう」ではなくて「弾ける場所を探そう」という発想がすごいです!

当時住んでいたのが賃貸でピアノを置けない物件だったので…。

でも、思い当たるところへ片っ端から電話しても断られ続けてしまいました。

泣きそうになりながら「もうここで最後にしよう…」と電話した楽器店の奥様がとても良い方で。

その方のおかげで、カフェで演奏させていただけることになったんです!

――ご縁ですね。どんな演奏をしていたんですか?

最初は店内のBGMでした。人気の歌謡曲をアレンジしたり、誰しもが知っている曲を弾いていました。

そこに、こっそり自分のオリジナル曲を演奏したところ「今の曲のタイトルは何ですか?」とお客様から質問をいただいたんです。

作曲に至った経緯や阪神淡路大震災について話していると、その方が当時、興支援のために松山市から神戸市に駆けつけてくれていたことが分かりました。

震災当時、私は生きるのに必死で、救援物資がどこから来ているのか考える余裕さえありませんでした

地元を離れ、時を経て、意外な形でそれを知ることができたのです。

そこからはBGMの演奏から、今度はマイクを持って防災命の大切さ、感謝の気持ちを伝えるコンサートに変わっていきました

――辛い、大変な経験や想いほど、人と人とを結びつけるのかもしれませんね。

偶然開催することになったコンサートですが、今振り返ると必然のように思います。

片っ端からかけた電話もそのために断られたんだなって思えるくらい。

そこからは、コンサートホールや消防フェスタ、教育委員会から小中学校での講演コンサートの依頼をいただくようになりました

カフェでの演奏。メディアでも取り上げられました

 

『こころのピアノコンサート』

――幸代先生の考え方、すごく好きです!ホームシックからは、すっかり抜け出せたんですね?

はい!学校での講演コンサートは特に嬉しくて。『こころのピアノコンサート』と題して各小中学校を訪問させていただきました。

震災や様々な実体験を通じ「思春期の多感な時期を過ごしている子や、いじめを受けている子の心に響く演奏がしたい」という想いを込めてコンサート名を決めました。

――素敵なネーミングです。

コンサート名は同じですが、訪れた学校の雰囲気や生徒の表情から演奏する音楽や話すことを変えていたので、内容は毎回異なっていました。

アンケートに「ちょうど今朝、お母さんとけんかをしていたので、あの曲が胸に響きました」等、生徒さんが書いてくれた感想を読むと、自分のインスピレーションを信じて良かったなと思うことが多々あります。

――幸代先生は普通の人の100倍くらい感受性豊かですよね。

今でもコンサートの時は天国のピアノちゃんが力を貸してくれているような気がしていて。

ピアノに触れると、どんどん音楽が生まれるんです。それを聴いたみんなの笑顔を見ていると私も幸せです。

――どれくらいの頻度でコンサートをしていたんですか?

いただいた依頼は出来る限りお受けしていたので、2日に1回のペースで開催していた時もあります。

コンサートは約2時間、一人で音楽もトークもします。想いをみんなにきちんと届けるにはエネルギーがたくさん必要です。

時には帰宅後くたくたになっている私を見て、主人は「よくやるなあ」と思っていたそうです(笑)

――幸代先生を見守ってくれる優しいご主人なんですね。

全然ですよ(笑) 特にコンサート内容には厳しいです。

ただ、私とは違う視点で見てアドバイスをくれるので参考になります

ある日、コンサートから帰ると、疲れていつの間にか眠っていました。そして、目を覚ましたら絵本さっちゃんとピアノちゃんが出来ていました。

コンサートの心強いお供に

主人が「どうしたらもっと、子どもたちに震災のことが伝わりやすくなるだろう?」と考え、制作してくれたのです。

被災された方に失礼がないように色々調べ、当時の様子を表現してくれました。

コンサートでは絵本があることで、より想いを伝えやすくなりました

――絵本を作るというご主人の発想が素敵…!

 

絵本をスクリーンに映しだし、朗読&即興演奏で震災を疑似体験できるコンサート

 

傷ついた人や被災者の心を音楽で癒したい

――仕事についての幸代先生のやりがいを教えてください。

引きこもりの方や自殺をしようとしていた方が、コンサートに来て生まれ変わったように輝きを取り戻したり、「生きる希望が湧きました」というお便りをくださったり、この仕事をしていると私の方が感謝したいことがたくさんあります

演奏を聴いてくだった方が「ぜひ他の被災地でもコンサートをしてあげてください!」と言ってくれたこともありました。

2年の歳月をかけて募金を集め、新潟中越地震の起きた小千谷・栃尾・長岡の3か所で無料の復興コンサートを開催しました。

集まった募金

――心癒された人が、たくさんの人に幸代先生の演奏を聴いてほしくなったんですね。

募金をそのまま送ることもできますが過去に震災を乗り越えた私が、今苦しい想いをしている人に寄り添い、演奏をさせていただくことで少しでも希望を感じていただけたら」という想いから現地へ足を運びました。

十年以上が経った今でも、新潟で出逢った方から美味しい新米や山菜が届き、温かい繋がりがずっと続いています

募金のお陰で無料開催できた新潟での慰問コンサート

これらの活動が推薦され、翌年『人間力大賞2010会頭特別賞』を受賞させていただきました。

その後はすべてを待っていてくれたように、第一子を授かりました

『人間力大賞』は青年版の国民栄誉賞

 

育児との両立 自分らしく輝いてほしい

――幸代先生は二人のお子様の母親でもありますが、仕事と育児の両立についても、ぜひ話を聴かせてください。

育児と家事は、主人や周りのサポートと共に協力しながら日々を送っています。

子どものおかげで児童館や保育園でコンサートをする機会にも恵まれました。

そういう時は子どもも同伴し、一緒に客席でコンサートに参加できるよう先生方と相談しながらお仕事をさせていただいています。

保育園のみんなのイメージで即興☆中谷幸代

――小さなころから音楽に触れられていいですね!

息子も娘も音楽に興味があるようで、私の作曲した曲を「ママのこの歌好き~」と言って弾いてくれたり、私の真似をしてピアノと絵本を使いコンサートごっこをしたりしています。

先日は「ママがお仕事もっとできるように、早く大人になって、洗い物とか、もっとおうちのこととか手伝ってあげたいなぁ」と娘に言われ、泣きそうになるほど嬉しかったです。

長女が1歳だった時の初詣

――お母さんの仕事姿を身近で見ているからこそ出てくる言葉ですね。学校行事の時などのスケジュール調整はどうしていますか?

小学校や幼稚園の子どもたちのイベントは必ず優先してスケジュールを組みますが、毎年、阪神淡路大震災が発生した117日はどうしてもコンサートの予定が入ります。

ある年、小学校のオープンスクールと重なり、参加できずに息子に寂しい思いをさせてしまいました。

それからは夫婦間でスケジュールを共有し、事前に調整するように決めました。

――母親だけですべてを解決しなくても良いですよね。

本当にそう思います。

仕事と両立するのは大変なこともありますが、母親になったことで仕事の幅を広げられたこともあります。

『どんなときでも』は息子を初めて保育園に預けた時に作曲しました。

【子育てソング】『どんなときでも』ゆかりfeat.中谷幸代

――これは感動…!大人になったお子様たちが聴いても改めて嬉しいはずです。幸代先生は「こんな母親でありたい」という理想はありますか?

何でもテキパキこなす頼りがいのある母親でいたいのですが、実際は不器用な私を見て、子どもたちはたくましく育ってくれています

反面教師じゃないけど「こんな人もいるんだな~」と思ってもらえれば(笑)

「一人ひとりの個性を大切に、自分らしく輝いてほしい」と願っています。

どんな人のことも支えてあげられる優しい人になってほしいな。

長男とボールプールで思いっきり遊ぶ!

 

いつも『今』に全力!

――幸代先生がピアノ講師として心掛けていることは何ですか?

私のピアノレッスンでは生徒さんに弾きたい曲があればその曲でレッスンをして、すぐに弾かせてあげるようにしています。

弾きたい曲があると、必要な練習も苦にならず、すごい早さで身に付くんです。

それに、死と隣り合わせだったあの震災から、私は「いつ死ぬかわからない」と思っていて、毎日を後悔しないように過ごしています

震災の前日「また明日ね」と言ってバイバイした友達と、二度と会えなくなりました。

もちろんピアノの基礎を積むことは大切ですが、それ以上に今やりたいことに全力で取り組んでほしいと願っています。

――阪神淡路大震災の体験が、幸代先生の考え方の礎になっているんですね。

私の命は、ピアノに助けられた命です。

少しでも人のお役に立ちたい。それがピアノを通じて出来ることなら尚更です。

『今』を大切に、命に感謝し、どこかで苦しんでいる人のために「一人ひとりが希望を持って、何か出来るきっかけになれば」という願いを込めて、今もメロディを奏で続けています。

 

たくさんの人に助けてもらったから、たくさんの人の心に寄り添いたい

――最近作曲した曲で、好きな曲があれば教えてください。

コロナ禍で、自粛生活でおうち時間を過ごす方や医療従事者の方へむけて、自分に何かできることはないかと考え、即興で生まれた曲『幸せの虹 Happy rainbow』です。

SNSで呼びかけ全国から虹や花の写真を募集し、曲と共にエールムービーに仕上げました

【おうち時間でエールを】『しあわせの虹.Happy rainbow』~エールムービー~/中谷幸代即興演奏

写真を贈ってくれた方たちに「なにかお礼はできませんか?」と呼びかけたところ「歌詞に曲をつけてほしい」と依頼をいただきました。

そのご縁で生まれたのが『その先に輝きが』です。

コラボソング『その先に輝きが』 歌夕鈴×即興ピアノ中谷幸代 作詞 紺碧×ゆきか

直接お会いしたことのない、ゆきかさんと紺碧さんですが、素敵な詩に作曲させていただき嬉しいです!

歌ってくれた夕鈴さんは、四国の看護師さん。会えない中、遠隔レコーディングのみで編集しました。

オンラインで生まれた曲をぜひ聴いてください。

――空間を超えて音楽で繋がるご縁。素敵ですね。すでに幸代先生は夢を叶えているように思いますが、これから挑戦したいことはありますか?

一人ひとりに向けた『あなたのためのコンサート』をしたいです。

その方の想いに寄り添って即興演奏したり、即興連弾で一緒に曲を作ったり、その曲をCDにすることもできます。

私のコンサートでは観客の方にステージへ上がっていただき、即興連弾をしています。その度に、一人ひとりが素晴らしい作曲家だと気付かされます。

もっと誰でも感覚的に音楽やピアノを心のままに楽しめることを知ってほしい。コードや楽譜にとらわれず、もっと自由に奏でる世界を伝えていきたいです。

ピアノに初めて触れた1歳半の男の子も即興連弾で作曲ピアニストに

 

――クラリネットを吹けなくなったり、腰を痛めて教師への道を断念したり、右手の怪我でピアノが弾けない時期があったり…。それでも挫折せずに、ずっと音楽を続けられたのはなぜですか?

辛い想いも嫌な想いもしましたが、それ以上にたくさんの人と音楽が私のことを支えてくれ、助けてくれました

自分一人じゃできないことも、周りの方々のおかげで実現できたことが多くあります。

私に返せることは音楽しかなかったから、恩返しの想いも込めてピアノを奏でています。

耳にしただけで優しい気持ちになれる音楽で、この世から、いじめや自殺、戦争などの悲しい出来事をなくしたい。

笑顔あふれる世界になってほしいと願っています。

 

自分らしい人生を! 正解は自分で決める

――幸代先生の『耳にしただけで優しい気持ちになれる音楽』が大勢に届くといいなと思います!最後に…。自分らしく生きたいお母さんたちへ一言お願いします!

決心さえすれば、ちょっとの勇気でいつからでも自分らしく生きられると思います。

子どもとの時間はあっという間。上の子が大きくなってきたので、そんな切なさも感じています。

家族の笑顔を思い浮かべながら、心の声をよく聴いて信じる方向へ進んでいけば、きっとますます素敵な未来がそこにはあるはず。

正解は自分で決めたらいい!

迷っているならまずはチャレンジするのも良いかもしれません。たとえ失敗しても、そこから学べる成長のチャンスだととらえたら良いと思います。

はっきりと目標がある場合は、希望を明確に書き出して、心を決めてみてください

不思議ですが、少し行動するだけで自然と導かれることも多いですよ。
私がそうであったように。

今までの経験と感性を活かし、ちょっとの勇気と行動で、皆さんが更に充実された日々を送られることを願います。

ママも子どもも、幸せな毎日が送れますように☆彡

――ありがとうございます!どんなときも直感を信じて、素直な選択をしてきた幸代先生。これからもたくさんの素敵な曲を聴かせてください。

 

一日のタイムスケジュール
7:00 起床、朝食準備
9:00 幼稚園に見送り、買い物
10:00 仕事(ピアノレッスン、作曲、編集など)
12:00 昼食
13:00 メール・SNS返信、事務作業、家事
14:00 仕事(ピアノレッスン、レコーディング、作曲、編集など)
18:00 幼稚園にお迎え
19:00 入浴
20:00 夕食
21:00 家事
21:30 子ども就寝
23:00 仕事の続き(子どもと一緒に就寝することも)
27:30 就寝(時々徹夜)
中谷 幸代 さんについて、もっと知りたい!
CDを購入したい!

CDご購入希望の方はpiano_hearts@yahoo.co.jpまで、メールにてお問い合わせください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました